(愛知・名古屋|熱田神宮)草薙神剣を御神体とする神社
三種の神器として名高い草薙神剣(草薙剣、天叢雲剣)を御神体とするのは熱田神宮。
神話の時代とのつながりを感じられる神社である。
鳥居をくぐると広い道が続いていて気持ちがいい。
まずは手水舎で身を清める。
境内は広く、大小数多くの社があるが、まずは本宮へのお参りである。
現在は神明造りの建物だが、明治26年(1893年)の再建前は尾張造りだったそうだ。
草薙神剣を御神体とするため、伊勢を元に神明造りに建て替えられたという。
本宮に祀られている熱田大神は、草薙神剣を霊代とする天照大神のことである。
草薙神剣(草薙剣)とは、スサノオがヤマタノオロチを退治する際にヤマタノオロチの尾から得られた剣を天照大神献上したもので、天孫降臨の際に天照大神がニニギノミコトに授けた三種の神器である、八咫鏡、天叢雲剣、八尺瓊勾玉のうちの天叢雲剣の別名である。
本宮の周りには心の小道という、以前は禁足地だった場所がある。
↓心の小道の西側
看板の注意書きにもあるように、心の小道内は写真撮影禁止なので写真はないが、静かで神聖な空気がある場所だ。
北へ歩いて行くと一之御前神社(いちのみさきじんじゃ)がある。この神社の祭神は熱田神宮本殿に祀られている熱田大神の荒魂なのだそうだ。
本宮の裏側をぐるりとまわる形で進んでいくと東側には清水社とその裏側に湧き水の泉がある。
清水社は罔象女神(みずはのめのかみ)が祀られており、平景清が目を患った際に湧き水で眼を洗ったところ目の病が治ったと言われている。霊験があり眼の神様と崇められています。また湧き水の中にある苔むした石が楊貴妃の墓石(石塔の一部)と言われているそうだ。
泉には柄杓が置かれており、清水をすくって苔むした石(楊貴妃の墓石)に三度水をかけ祈念すると願い事が叶うという。またこの清水は美肌にもいいそうだ。こちらも3回つけるといいとか。
蓬莱信仰や、楊貴妃が草薙剣の剣の正体であるとか言った話もあるようで、詳しく調べてみると面白いかもしれない。
参道の本宮への鳥居の前に大きなクスノキがある。
風格のある立派なクスノキである。
弘法大師空海がお手植えしたと云われるクスノキで、樹齢も1000年を超えるそう。空海のお手植えが事実なら樹齢は約1200年ほどであろうか。
パワーもすごいようで掌をかざすとパワーを感じられる。
また写真に撮って待ち受けなどにしておいてもパワーを授かれるという。
根元には神の化身たるヘビが住んでいるそうで、見られるととてもありがたく、金運や開運のご利益があるようだ。
下の写真の右下部分、網があるところである。置かれている卵はヘビの食事らしい。
熱田神宮の境内には、大きなクスノキが全部で7本あるそうで、一般の参拝者が全て見るのは困難なようだ。比較的見やすい4本を紹介。
①一本は上の写真にもある参道沿いにあるもの。(熱田指定第4号)
②そこから参道沿いに本宮の方に向かうと信長塀がありそこの右手(東側)に一本ある。(熱田指定第5号)
あとの2本は心の小道の清水社の近くにある③しめ縄のいてある大きなクスノキ(熱田指定第3号)と、④その近くにあるすでに枯死しまっている木がそうである。
残りの見るのが困難な3本は、
⑤一つは信長塀の西側の塀北側で遠目には分かりづらい。(熱田指定第6号)
⑥一つは結婚式場である熱田神宮会館の北西にあり、会館内からなら見られるようである。(熱田指定第2号?)
⑦一つは勅使館北側の立ち入り禁止区域にあるようだ。(熱田指定第1号)
信長塀は織田信長が桶狭間の戦いで勝利した後に奉納したとされるもの。
土と石灰を油でよく練り合わせたものと瓦を上へと積み重ねたものに、瓦葺きの屋根がついたもの。
築地塀(ついじべい)をより強化したものなのだとか。
西宮神社の大錬塀(おおねりべい)、三十三間堂の太閤塀(たいこうべい)と並んで、日本三大土塀の一つなのだそうだ。
1560年に奉納されてから一度も崩れてないそうだ。
信長塀は京都の石清水八幡宮でも見ることができる。
参拝に疲れてきたところで西門から入って少しいったところにある休憩所へ。
抹茶ときよめ餅をいただいた。
きよめ餅はこしあんを羽二重餅で包んであり、上品な味わい。
歩き回って疲れた時に甘いものはほっこりできる。
休憩したあとは、さらに境内の社をいくつか参拝した。
まずは上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)。知恵の文殊様と呼ばれ親しまれている。
頭部に御利益があり、成績向上だけでなく脳梗塞などの頭部の病気さらには鬱病などの精神病にもよいといわれている。
上知我麻神社の隣にるのが別宮八剣宮である。
668年、天智天皇の時代、草薙神剣は新羅の僧である道行(どうぎょう)によって盗難に遭ったことがあり、盗難防止のために本宮と同じ作りの八剣宮を建てたのだとか。
一時的にとはいえ草薙神剣が八剣宮に奉安されていたことがあるそうだ。
熱田神宮でただ一つ朱塗りの社である南新宮社(みなみしんぐうしゃ)。
スサノオ(須佐之男命、素盞嗚尊)が祀られており疫病退散のご利益があるそうだ。
楠御前社(くすのみまえしゃ)はイザナギ(伊弉諾尊)とイザナミ(伊弉册尊)の夫婦の神様を祀っている。そのため夫婦円満や安産にご利益があると言われている。
祈願の方法は本宮前の授与所にある小さな鳥居に名前と干支を書いて奉納するというもの。
そのため社にはたくさんの小さな鳥居が見られる。
境内には二十五丁橋という橋もある。
この橋は尾張名所図会(おわりめいしょずえ)や名古屋甚句(なごやじんく)で有名で、25枚の板石が並べられた反り橋である。
名古屋では最古の石橋らしいが、1936年の境内拡張の折に解体されたが1955年に今の場所に復元されたのだという。
宝物館は入館料がかかるものの、刀剣を中心とした国宝や重要文化財が展示されており見ごたえ十分である。
また参拝したのは10月初旬だったが、神楽殿のところではすでに七五三で訪れる人たちの姿も見かけられた。
また境内にはなぜか鶏もいた。
いつからいるのか、なぜいるのかははっきりとはわかっていないらしい。
時間・休み:なし(お守り授与やご祈祷などは受付時間あり、宝物館も休館日あり)
料金:なし (宝物館は有料)
アクセス:名鉄「神宮前駅」から徒歩数分、地下鉄 名城線「神宮西」から徒歩数分