(滋賀・大津|石山寺)日本唯一の勅封秘仏の33年に一度の御開扉
瀬田川のほとりにあり西国巡礼十三番札所、観音霊場として名高い石山寺がある。
石山寺のご本尊は日本でも唯一の勅封秘仏、如意輪観世音菩薩である。
現在は御開扉によりそのご本尊の特別拝観が可能である。
※勅封……天皇の命(勅命)により封印されていること
豊臣の時代、淀殿の寄進によって修理されたという東大門(ひがしだいもん)。
東大門自体が重要文化財にしてされており、また左右には鎌倉時代につくられたという運慶と湛慶のつくったとされる仁王像が。
その東大門をくぐり、道をまっすぐ進む。
途中、右手に休憩所となっている拾翠園と大黒天があり、さらにまっすぐ進むと、入山・拝観料を納める場所がある。
今回はセット券(入山料 + ご本尊特別拝観料 +「石山寺と紫式部」展 入場料)1,200円で入った。
中に入ると右手には、くぐり岩がある。
このあたりの岩はすべて大理石なのだとか。
くぐってみたが、なかなか狭く、少し水もたまっており、簡単にくぐれると高を括っていただけにすこし厳しかった。
そしてその横には手水舎がある。
手水舎のさらに横には長い階段があり、それを登り切った右手にはご神木の杉がある。
この杉は石山寺創設当時の天平時代(729年~749年ごろ)からあるという。
つまり樹齢1200年は超えて、1300年近い。
この杉の横には毘沙門堂があり、
中には金鎖甲着て、腕に海老籠手をつけ、右手に戟、左手に宝塔を持ち、地天女の手に乗って尼藍婆(にらんば)、毘藍婆(びらんば)の上に立つ立派な檜の兜跋毘沙門天立像が安置されている。
階段を上った正面には、石山寺の代名詞ともいえる天然記念物の珪灰石がある。
そしていよいよ本殿へ。
33年に一度の御開扉で特別拝観をしている石山寺のご本尊、如意輪観世音菩薩を拝むために今日はここまで来たといっても過言ではない。
如意輪観世音菩薩は多くが、六臂の片膝を立てて座る像か半跏像が多いが、石山寺の如意輪観世音菩薩は二臂の半跏像である。
創建当時はご本尊は塑像だったそうだが、火事で損傷してしまい、現在のご本尊は平安時代後期に再建された檜の寄木造りの像なのだそうだ。
柔和な表情で、天衣や裙には美しい蒔絵が施されている。そして珪灰石の上に座している。
また、2002年8月に奈良国立博物館の調査によって発見された、ご本尊の如意輪観世音菩薩の4体の胎内仏も公開されている。
もともとは創建当時のご本尊の胎内仏だったようで、1体が飛鳥時代のもの、2体が白鳳時代のもの、もう1体が奈良時代のものである。
本堂を出たあとは、豊浄殿で行われている「石山寺と紫式部」展へ。
石山寺のこれまでの御開扉の歴史を知ることができ、また源氏物語の絵巻や屏風など雅な展示をみることができる。
石山寺の境内は広く、他にも日本最古の多宝塔や、近江八景「石山の秋月」を眺めたとされる月見亭、四季折々の草花などなど他にも見どころが盛りだくさん。
今回はご本尊の如意輪観世音菩薩を目的に訪れたが、またゆっくりと訪れたいと思う寺だった。
●石山寺
拝観時間:8:00-16:30
入山料:大人(中学生以上)600円、小学生250円
●本尊 如意輪観世音菩薩 特別拝観
期間:2016年 3/18(金)~12/4(日)
拝観時間:9:00-16:00
拝観料:大人(中学生以上)500円、小学生250円
●「石山寺と紫式部」展
期間:2016年 3/18(金)~12/4(日)
拝観時間:9:00-16:00(入場は15:45まで)
入場料:大人(中学生以上)300円、小学生150円
※セット券(入山料+本尊 如意輪観世音菩薩 特別拝観+「石山寺と紫式部」展)1200円
最寄り駅:京阪石山寺駅