(大阪|御霊神社)浪速の氏神、オフィス街のオアシス
大阪の御霊神社。
地下鉄御堂筋線の淀屋橋と本町のあいだ辺りにあり、街中のオアシス的神社である。
本殿の祭神は天照大神荒魂、津布良彦神 、津布良媛神 、応神天皇、源正霊神である。
詳しくは御霊神社のウェブサイト(http://www.goryojinja.jp/)をご覧いただきたいが、由緒正しき神社である。
・手水舎
多くの手水舎が“神社”という風格のようなものを漂わせている中、こちらはしめ縄はあるもののなんだか公園の水場のようなつくりで神社をちょっぴり身近に感じることができる。
タオルが置いてあるあたりもなんだかほほえましい。
・東宮
皇大神宮、五福恵比須神社、猿田彦神社、東宮十二社が祀られている。
・松之木神社、大黒社、不動明王
境内にある松之木神社、大黒社、そして不動明王である。
・肌まもりの木
大阪大空襲で社殿や境内の木々は焼けてしまったが、この肌まもりの木は焼けた後に唯一再生したクスノキである。
戦火の傷跡はいろいろな形でいろいろなところに刻まれているのだなと思うと同時に、焼けても負けない樹木に力強さを感じる。
拝むと肌によいそうだ。
・芦田秋窓句碑
幕張って
店商へる
祭りかな
芦田秋窓
芦田秋窓(あしだしゅうそう)は大阪に生まれ、正岡子規門の一人として虚子と並んで子規俳壇の双璧と言われていた人物である。
なんだか大阪らしい一句だなとくすっと笑ってしまったが、句を見て情景がありありと浮かんでくるあたりが素晴らしいところだろう。
・うつぼの碑
「うつぼ」って魚の?と思わずにはいられない石碑。
だが、漢字で書くと「鱓」ではなく「靭」であり、地名である。
現在の大阪市西区靱本町のあたりのことで、御霊神社の前身の圓神祠がその「靭」の地にあったことを伝えるための石碑である。
ちなみに靭とは矢をいれる矢巣(やす)という道具のことである。
そして魚のウツボとは関係ないが、靭は魚商人の町ではあったそうだ。
・青銅の狛犬
ちょっと変わった狛犬でおもしろいなと思ったら、この狛犬もけっこう有名な物らしい。
大阪の冶工、大谷相模椽(おおたにさがみのしょう)藤原正次の作だそうだ。
大谷相模椽とは江戸初期から代々襲名されている鋳物師の名である。
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・大阪三十三所観音めぐり
御霊神社は大阪三十三所観音めぐりの第三十三番札所。
近松門左衛門の「曽根崎心中」の冒頭でお初が三十三所の観音を巡礼する(※)くだりは人形浄瑠璃などではカットされることが多いものの、知る人ぞ知る物語の重要な場面である。
※西国三十三か所お札所めぐりと誤解されていることもある。
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曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
参拝時間:朝~17:30
最寄り駅:地下鉄御堂筋線淀屋橋駅または本町駅、四つ橋線肥後橋駅
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