(京都・嵐山|宝厳院)心静かに庭をまわり説法を感じる
嵐山は宝厳院(http://www.hogonin.jp/)へ行ってきた。
「獅子吼の庭」という庭園が有名で、現在は「第40回 京の夏の旅 文化財特別公開 本堂・書院」というものを開催している。
・獅子吼の庭
「獅子吼(ししく)」とは仏の説法のことであり、庭園を散策することで正道を肌で感じるという「無言の説法」という意味を持つ庭である。
・三尊石と苦海
「三尊石」とは日本庭園で見られる石組みの一つで、三尊仏をあらわしている。
庭の説明書きによると「彼岸に降り立った釋尊、文殊菩薩、普賢菩薩の三尊佛を現す」とあった。
つまり釈迦三尊をあらわしている。
彼岸と此岸の間には苦海が広がり、苦海の中に彼岸へと渡るための舟石がおかれている。
また仏のもとへ渡る獣石も見られる。
写真では中央よりやや右側に、これら三尊石、獣石、舟石が見られる。
写真の中央やや左側には「登竜門」で有名な瀧門瀑があり、滝つぼに鯉魚石が置かれている。
・碧岩、獅子岩
2億年前の海底に堆積した微生物やプランクトンが水圧で圧縮されて出来たという碧岩。
碧岩と同じ石質で、見た目が獅子の顔に似ているという獅子岩。
この獅子岩は、「都林泉名勝図会」という江戸時代(寛政11年)に刊行された京都の名所や名園を収録した書物にも登場する。
・破岩の松
岩の割れ目から松が芽吹き成長していたという破岩の松だが、枯死してしまったそうだ。
・豊丸垣
茶人の豊丸という人が考案したらしいのだが、詳しいことはよくわからない。
・羅漢
羅漢とは釈尊の弟子で「尊敬されるべき修行者」のことである。
宝厳院の前にたくさん見ることができ、嵐山羅漢と言われている。
・花々
桔梗は終わりかけだったが、その寂しさにも美しさを感じてしまう。
今は撫子がとても綺麗だった。
・襖絵(ふすまえ)
本堂では田村能里子によって描かれた58枚の襖絵を見ることができる。
一番に目に飛び込んでくるのは、絵というよりも色。
その赤色の迫力と優しさに吸い込まれそうになる。
下間、室中、上間には朝、昼、夜が描かれており、三十三体の人形(ひとがた)が見て取れる。
また襖の引手もラクダなどの動物がかたどってあった。
撮影はできないため、写真としてお見せできないのが残念である。
・書院
今回、一番の目玉はやはりこの書院であろう。
大正時代に建てられた書院は数寄屋造りで、洒落ている。
窓ガラスもレトロな揺らぎのあるガラスである。(明治から昭和初期のガラスは製造技術が未熟で独特の揺らぎがある)
書院からの眺めも嵐山を借景とする見事なものである。
また、水のせせらぎと鹿威しの音がなんとも風雅さを感じさせてくれる。
期間:平成27年 7/11~9/30
時間:10:00-16:00
拝観料:大人800円 小学生400円
最寄り駅:嵐電 嵐山駅、JR 嵯峨嵐山駅など
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