『千年鬼』
『千年鬼』 (徳間文庫)
著:西條奈加
過去世を見せる3人の過去見という小鬼たち。
さまざまな時代のさまざまな人たちに、食べ物をもらったお礼に過去世を見せる。
なんだかかわいらしい小鬼たち。
各章でときおり登場する、小鬼の世話役のような黒鬼。
どうやら、恨みを吸って大きくなり人を人鬼にしてしまう鬼の芽というものを集めているようだ。
読み進めていくと、すこしずつ全体像が見えてくる。
1000年の時を経て、小鬼たちはどうなるのか。
鬼が登場するむかしむかしの話。
まさにおとぎ話である。
長いおとぎ話を読んで、胸に残るのは切なさと、一片の希望。
少し時間をおいてまた読みたいと思う一冊だった。