『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』
『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』 (創元推理文庫)
著:十市社
高校である失敗をしてしまい、クラスメイトから幽霊として扱われる一居士架(いちこじ かける)
家の火事で架は死んでしまったのだという。
そして時折襲ってくるノイズで周りの音も聞こえなくなる。
あるとき突然、クラスメイトの一人玖波高町(くば たかまち)に話しかけられる。
これまで誰にも見向きもされなかった架に、大きな変化が起こり始める。
最後まで、結末がどう転ぶのかハラハラしながら読んだ。
読んでいて、たしか円居挽のルヴォワールシリーズだったと思うのだが、そこで書かれていた「真相は作者の匙加減次第」という言葉を思い出した。
ロジックの見事さや、あざやかな手品のような謎と謎解きはミステリの醍醐味だが、このハラハラ感もまたミステリの醍醐味なのだと久しぶりに感じさせてくれた本である。