入院1日目
10時半入院予定で、8時に目覚ましをセットしていた。
しかし目覚ましで全く起きれず、8時20分、妻に起こされた。
朝食を食べ、身支度をして、携帯や充電器など当日準備しようと思っていたものを詰めていく。
その間、息子も起きて、お出かけの準備。
息子は今日も母に預けて、妻と共に大荷物を持って病院へ。
出発が少し遅れたが、問題なく10時過ぎには病院に着いた。
昨年は入院の手続きでけっこう待たされたり、時間がかかったので覚悟していたら、案外サクッと手続きが終わった。
入院病棟に向かうと、そこでも少し手続きがあった。
病棟には妻は入れず、外のスペースで待っていてほしいと言われていた。
私は身長や体重を測られ、シャワー室やトイレの説明などを受けつつ病室へと移動。
そこで看護師さんから少し話があったが、終わると部屋から出て行こうとする。
妻とは会えないのかと聞いたらもう今日は会えないという。
妻にも看護師さんから面会についてや手術日に何時ごろ来たらいいかなどの話があり、それが終わると帰ってもらうとのことだった。
いきなり別れたままなので、一声だけかける許可をもらって妻のところへ。
今日のこれからのことなどを話していたら、妻のところに看護師さんが来たのでついでに一緒に話を聞いて、そこで妻と別れた。
病室へに戻って改めて見てみると、私に割り当てられたスペースが思っていたより狭い。
去年入院したときはもう少し広かったので同じくらいをイメージしていたのだが、部屋の作り次第でいろいろなようである。
広い狭い、窓のあるなし、明るい暗いなどなど。
入院前、一番祈っていたのが部屋に窓があることだった。
結果は向かいの病棟が見えたり、あまり景色は良くないが一応窓はあった。
私が部屋で荷物を出し終えたところで、向かいの部屋の人が別の病棟に移動して行った。
その後すぐベッドメイクや消毒などされていた。
そこはすごく開けた景色の広がる窓があり、あそこがよかったと思ってしまった。
荷物を広げる前でまだベッドなども未使用なら、そちらのベッドに変えてもらえませんかと一言聞くこともできただろうが、今となっては、言ってしまえばたかが窓からの景色くらいで部屋を変えてほしいというのはワガママだろう。
窓の方角としては私の部屋は東向きで、景色のいい方は西向きである。
西日がガンガンなのは暑いし、日出る方向の窓も悪くないだろうと自分を慰めた。
部屋が少しでも快適になるように、テレビの台を少し奥にしたりゴミ箱の位置を変えたり、可能な範囲でレイアウト変更。
これから2週間もお世話になる部屋なので、そういうところは手術前で不自由なく体が動く今のうちにやっておくべきである。
この日の予定は、手術に向けて麻酔科から話があるということと、最終的な手術の部位を確認するためのMRI検査である。
昼ごろ、定期チェックの検温、血圧、SpO2チェック、それに輸血になった場合の確認で採血をされた。
検査があるため昼ごはんは抜きなので、暇つぶしにiPadをいじっていると、14時ごろ麻酔科から呼び出しがかかったため、話を聞きに移動。
麻酔をする上での、アレルギーなどの確認や、麻酔後出る可能性のある障害についての話であった。
同意書にサインをして終了。
部屋に戻ってさらに待っていると、今度は16時ごろMIR検査センターから呼び出しがかかったため、移動。
金属を身につけてないか、インプラントなど入っていないか、いろいろと聞かれて、検査着に着替えた。
造影剤も使うとのことで、留置針を入れられ、金属探知機で全身をチェック。
しばらく待っていると順番が来たので検査室へ。
頭頸部中心のため頭を固定され、舌も動かさないでと言われて、ヘッドホンをされた。
MRIはかなり大きな音がするため、耳の保護のためにヘッドホンをするのだ。
ピー、ガガガ、ウィーンウィーンウィーン、ドドドと言った音を聴きながら20〜30分、けっこうしんどくて肩も凝った。
PET検査でも検査中は毎回20分ほどジッとしていないといけないのだが、あれとはまた違った辛さがある。
検査が終わると、元の服に着替えて病室へと戻った。
これで、この日の予定は終わった。
夕方、定期チェックを終えた後は、17:30頃に軽くシャワーをした。
18時ごろから夕食だが、シャワー利用は19時までのため、食後だとバタバタしてしまうのだ。
18時からの食事も終えて、ゆっくりしていたら部屋に先生がやってきた。
話はMRI検査の結果についてであった。
あまりよくない結果で、舌の腫瘍がけっこう深くまで伸びているとのことだった。
当初の舌を部分的に切除し再生を促すシートを貼る手術とは異なり、顎下から口まで穴を開ける感じで切除する手術になり、舌も半分近くとって、移植も必要とのことだった。
喉が腫れるので呼吸がしにくくなり、窒息の可能性もあるため気管切開してしばらくの間は首からチューブも入れるとのことだった。
また術後もリハビリをがんばっても、喋り方は舌足らずな感じになることがほとんどだと言われた。
首のリハビリと舌のリハビリとしっかりしないといけないそうだ。
明日、妻にも来てもらい改めて手術について説明をしたいということだった。
突然の話で、戸惑いはあったものの、癌は取らないことには最終、肺転移して死んでしまう。
先生を信頼して任せるしかないので、受け入れる他ない。
先生が立ち去ったあと、妻と母に、今先生から言われた内容を伝えた。
明日突然聞くよりも、私の口から前もって伝えておいた方がいいと思ったのだ。
妻たちもショックだったようだが、子どもの元気な声に癒されつつ電話を切った。
何もしてないとソワソワして落ち着かなかったので、就寝時間まで日記を書くことにした。それが
昨日のこの記事である。
21時になり消灯後寝ようとしたが、ちょっと寝つきが悪かったので少しiPadをいじっていたが、22時過ぎにはいつの間にか寝てしまったようだ。
朝は5時まで準備をしていて睡眠不足だったので、逆にそれがよかったかもしれない。
朝まで思った以上にグッスリだった。