闘病日記

入院2日目、3日目。

昨日(2日目)、今日(3日目)と朝の過ごし方はほぼ一緒だった。

朝起きて、まずは検温などのバイタルチェック。

8時頃に朝食を食べ、髭を剃ったり、歯を磨いたり。

前日の洗濯物を洗濯機で洗い、乾燥機に移して乾燥させる。

その前後のあたりでシャワーを浴びる。

乾いた洗濯物を取り出し、たたんで、自分のスペースの棚にしまう。

少しゆっくりしたら12時頃、昼ごはん。



昨日は14時頃、妻が面会に来た。

先生からの話があるということで、別室へ移動。

昨日聞いた、舌の腫瘍が思ったよりも深くまで達しているという話、舌を半分近く切除するという話。顎下のところから舌までをくり抜くように、穴を開けるように取るという話を聞いた。

舌は細く深く中央近くまで達しているらしく、そこだけを楔形に切除してもそれより先端部分に血流がいかなくなって壊死してしまうそうだ。

なので腫瘍のある部分よりも先にある部分も一緒に切り取る必要があるそうだ。

残念ながら腫瘍はけっこう根元に近いところにあるので舌の半分くらいを切り取らないといけないという。


昨日は移植すると聞いていたが、詳しくは胸の筋でヒダを作って鎖骨あたりで反転させて、舌や穴を塞ぐように移植するとのことだった。

首はしばらく盛り上がったようになるがそれは半年から一年くらいで落ち着くという。

舌の移植した部分は残念ながら機能が戻ることはなく、味どころか、暑い冷たいや痛いなども感じなくなるそうだ。

自分の意思で動かすこともできず、残った舌の部分で舌を動かして、物を飲み込んだり、しゃべったりしなくてはいけなくなるという。

そのため、舌足らずな感じになってしまうそうだ。


胸と首にはそれぞれドレーンを設置、首には気管切開をして呼吸するためのチューブ、鼻からは栄養を流し入れるためのチューブをつけることになる。

また尿カテーテルも入れるそうだ。

点滴の管も入れて、入院後は6本もの管をぶら下げてしばらく生活することになる。

また初めに入れる首からのチューブは太いもので、そのチューブが入っている間はしゃべれない。

何日かしたら、しゃべることはできる特殊な少し細めの管に変えるそうだが。

それとしばらくは首を動かして右を向いたり上を向いたりしてはいけないと言われた。

移植したところに負担がかからないように必要らしい。



術後1日は集中治療室で管理。

問題なさそうなら尿カテーテルは抜いて、今いる病室に戻ってくることになる。

4〜5日すると胸と首のドレーンはとるそうだが、1週間ほどは経鼻カテーテルからの食事(?)となり、水も飲むことができない。


話を聞いてるだけでも気が滅入ってくるが、癌があるのだから仕方がない。

そういった説明を受けた後は、リハビリについてや退院後どういった過ごし方になるかなどの話も聞いた。


今、不自由なく食事をしたりしゃべったりできているだけに、手術後できなくなってしまうことをどうしても考えてしまう。

それでも癌は切除するしかない。

舌の扁平上皮癌であるが、進行は早く、転移もしやすい。

さらに今回は再発である。

可能な限り安全策でいきたい。

今回の手術を最後に再発しない可能性が一番高い方法を提案してくれているので、信頼してあとは先生に任せるのみである。


ということで話は終了して、病室に戻り、妻と少し話をした。

息子が父、母(息子からしたらおじいちゃん、おばあちゃん)と病院まで来ているとのことで、妻の見送りがてら院内のコンビニにいくついでに少しだけ会うことができた。

多少緩和されたが、コロナのせいで未就学児は病室での面会はまだ禁止されているのだ。

息子は毎晩、寝るときに「パパは?」と聞いているという。

寂しい思いをさせてしまっていて胸が詰まりそうだが、この先も息子の成長を見届けていくために病気の治療が最優先である。


面会後は17時ごろシャワーを浴びて、18時から晩ごはん。

19時からラインのビデオ通話で子どもとおしゃべり……というより息子の踊りを一方的の見せつけられた。

歯を磨いたり寝る準備をして、ブログ記事を書き21時に消灯。

消灯後もしばらくiPadをいじり、22〜23時ごろに就寝。


本日は朝、同室の人が一人退院。

その人のスペースも窓からの眺めがよく羨ましかった。

正直、術後のことを考えると気が滅入るので、せめて窓からの眺めがいいところがよかった。

わがままで申し訳ないと思いつつも、他にもチラホラベッドに空きがあるようだし、ダメ元で場所を変われないか看護師さんに聞いてみた。

すると看護師長さんに聞いてみてくれるという。

そして看護師長さんは快く許可を出してくれて、同室の隣のスペースに移動させてもらえることになった。


掃除が終わったあと、昼前に、移動式の棚やベッドは使っていたものをそのまま移動させてくれて、あとは備え付けの棚の中身だけ移動させた。

ベッドに座ってみると、窓から街の景色が広がっていた。

それをみて涙が出そうなほど嬉しかった。

先程までとは気分が全く違う。

南向きの窓で太陽が出ていると、けっこう暑いようだが、その眺めにどれだけ癒されるか。

術後3週間ほど過ごす場所である。

窓からの景色一つで、心持ちが全く変わった。

術後もこの場所でなら、チューブだらけで首も自由に動かせず、水も飲めない生活や根気のいるリハビリもがんばれると思えた。


移動後は昼ご飯を食べ、14時ごろ妻が面会に来てくれた。

妻も移動できたことをすごく喜んでくれた。


面会後はシャワーを浴びて、晩ごはんを食べ、ラインのビデオ通話で息子と話し、今この記事を書いている。



明日が手術前最後の日。

自由に食べたりしゃべったりできるのも明日まで。

術後の生活を思うと気は重いが、ジワジワと腫瘍が進行していることを思うと早く手術してほしいという思いの方が強い。

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