術後6日目
夜中は頻繁に痰が絡み、吸引してたのでほとんど寝られなかった。
7:00ごろ、朝の経鼻栄養が開始。
朝のバイタルチェック時の体温は36.9度。
やや高めだが、調子自体はそんなに悪くない。
舌を動かしたり、発音したり、嚥下のテスト前に最後の調整。
なんとか、ちょびっとでも水を飲んでいいという許可をいただきたくて必死である。
ツバを飲み込むのはまだうまくはできないけど、完璧は求められないだろうから、水を飲む練習とかの許可が出れば試験合格と勝手に思っている。
昨夜はほとんど喋れなかったので、10時ごろ息子とLINEビデオで話しているとリハビリの先生が来た。
昨日、肩と首のチューブを抜いたので、主治医から今日から肩のリハビリはスタートしてOKと許可が出たらしい。
左の表層の胸筋を舌や顎のところに移植してるので、確かに左肩も上がらなくなっている。
動かすと痛いし、左頸部の圧迫や、伸展は禁止されているので、極力左手はヒジより先しか動かしてなかった。
今日は左肩を動かしていいのか先生に聞こうと思っていたのだが、聞く手間が省けた。
まず歩行の様子を見るために廊下を歩く。
6周したが脈拍も血圧も安定していたため、そちらは問題なしと判断。
今日、診察室に行く時も車イスではなく、歩いていってOKと言ってもらえた。
さて、肩のリハビリだがバンザイしようとしても肩より上に手が上がらない。
胸を張るように後ろに手を回そうとしても肩より後ろに下がらない。
それでも少しずつ伸ばしていくと、ちょっとだけ稼働範囲が広がった。
病室でのリハビリのメニューを確認して本日は終了。
ちょっと一息と思ったら、先生から診察室に呼び出された。
いよいよ嚥下のテストである。
痰をなるべく取り除いたり、軽く口をゆすいだりして、いざ歩いて診察室へ。
これまでは車イスだったので、歩けるようになった喜びを噛み締める。
待合で少しまっていると部屋に呼び込まれた。
まずは気管のところのチューブ。
フタをしていて息苦しくなかったかなどいくつか質問されて、問題なしと判断されたようで抜去した。
胸に穴が空いていて、呼吸をすると息が漏れる。
どうやって塞ぐのかなと思っていたら、折りたたんだガーゼを強めに押し当て、テープで止められた。
無理に縫ったりするよりも傷が綺麗に閉じていくそうだ。
ただ、傷が閉じるまではそのガーゼを押さえながら喋ったり、咳をしたりしないといけないようである。
取れたのは嬉しいが、しばらくはそういった不自由がプラスされてしまった。
次に嚥下のテスト。
鼻からカメラを入れられ、咽喉のところを見られながら、色のついた水を口に入れられた。
これを飲んで、ちゃんと飲み込めてるかをみるようだ。
昨日からのリハビリの成果を見せようとがんばって嚥下した。
半分くらい飲み込めてる、半分くらいは口に残った。
特に咽せたりはなかった。
結果は今日から水などを使って実際に飲み込むリハビリをしていきましょうということだった。
これは合格と言えるだろう。がんばった甲斐があった。
病室に戻り、昼の経鼻栄養。
栄養を流している途中で妻が面会にきた。
栄養を流し終えたあと、まだ面会中ではあったが舌のリハビリの先生がやってきた。
水とゼリーを持ってきたという。
まずは水。
コップで口に入れてみたが少し飲み込めるものの、咽せることもあったり、やはり口に残る。
ストローは吸って少し口の中に水がくるが、そこから飲み込むことができなかった。
診察室で飲み込んだのと同様にシリンジで少し口に入れると半分くらい飲み込めるが、半分くらいは口に残って、その残った分はやはりうまく飲み込めない。
次にゼリー。こちらはゼリーが口のどこにあるかあまり分からず、全く飲み込むことが出来なかった。
その後もゼリーを舌の上に置いてみたり、塊を大きくしてみたり、小さくしてみたりいろいろ試したが無理だった。
練習用にシリンジを置いていってくれて、一人でも無理のない範囲で水を飲んで練習してよいという許可をもらった。
ひとまずの目標達成である。
とにかく水が飲みたかったのだ。半分は口に残るが、半分は自分の意思で飲むことができるのだから、現時点では十分満足である。
妻が帰り、リハビリの先生も帰ったあと、体がすごくだるくなってしまった。
昨日からテストにむけてかなりがんばったのでその疲れだろう。
そのあとはベッドで横になり、気づいたら寝ていた。
1時間ほどでやはり痰が絡んで目が覚める。
そろそろ夕方の経鼻栄養がはじまる時間だ。
その前に一度と思って、水を飲んでみる。
自分でシリンジで口に入れるのはうまくいかなかった。
どこに水が入ってるのかいまいちわからないし、手前すぎると口からこぼれてしまう。
もう一度ストローを試して見たがやっぱりうまくいかない。
それならとコップで水を飲んでみる。
少し入れるとやはりうまく喉の方に持っていけない。
それならと少し多めの量(15〜20mlくらい)を流し込んでみた。
「ゴクゴクゴク」
飲み込めた。やはり口に残る分はあるが、一番したかったゴクゴク水を飲むというのが少しできた。
これはうまくいくか?と思い同じように水を飲もうとすると盛大に吹いてしまった。
喉や舌もだいぶ疲れてきたので、ひとまずの終了。
そうこうするうちに夜の経鼻栄養がスタート。
その時間はこのブログを書いて終わった。
最後に消灯前、もう一度同じようにコップで少し多めの量を飲もうとすると、「ゴクゴクゴク」とうまく飲めた。
喉や舌が疲れてなければいけるのか?
そんなことを思いながら消灯。
クタクタな1日だった。